地域の安定と安全のために

平成27年12月18日
 年の瀬が迫ってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 ご案内のとおり,ジブチでは自衛隊が拠点を設けて,海賊対処活動を行っています。ジブチが安定して治安が守られていればこそ,安心して拠点を運営できます。

 日本政府としては,「地域の安定」を対ジブチ支援の三本柱の一つにしています。例えば,沿岸警備隊を2010年の創立から支援しています。創立時は,海軍から派遣された司令官1名,スタッフ数名,艦艇はゼロという状態でした。我が国は,艦艇や必要な機材を供与しました。加えて,隊員の訓練を日本で,ジブチで,更にモロッコで「三国協力」として実施してきました。ジブチ政府自身が努力し,触発されたのか,他の国も支援を始めました。

 その甲斐あって,人員約170名,巡視船等20隻以上を保有する組織に成長しました。日本は深く感謝されています。今も何か迷うことがあると日本に連絡して助言を求めるそうです。

 海上交通の要衝であるバブ・エル・マンデブ海峡は幅30kmほどしかありません。そのうちジブチの領海幅は約13km。沿岸警備隊は、日本を含む船舶の航行安全に貢献しています。それでも,イエメンからの難民,海賊の危険,不法漁業,武器の密輸など,沿岸警備の需要は益々高まっています。

 最近の嬉しいニュースは,20メートル級の巡視船を2隻供与したことです。12月2日,ジブチのアブドゥルカデル首相列席の下,供与式を実施しました。沿岸警備隊の能力が拡充され,海の安全がさらに保たれることを期待しています。

 師走の忙しい時期です。ご自愛のほどお祈り申し上げます。