ハムシン(砂嵐)の中の「夕焼け小焼け」

平成28年7月26日
ラマダン(断食月)が明けて、いつもの生活に戻っています。気温は高いままで、加えてハムシン(砂嵐)の季節です。「砂嵐」と聞いて、映画で見るように、砂の塊が地平線から押し寄せてくる光景を想像していました。実際はそこまではいかないものの、強い風で砂が舞い上がります。毎日、家中が砂埃だらけになり、掃除が大変な季節です。

ところで、時折、家の周りで「夕焼け小焼け」が流れるのが聞こえます。家に日本の国旗が掲げてあるので、誰かが日本の歌をかけてくれたのかと思いました。実は、日本政府が供与したゴミ収集車でした。曲を合図に、住民の方々はゴミを出します。皆さんの役に立つ開発協力を行っていることが実感できました。ゴミや砂の舞う季節には、特に心強い限りです。

日本の支援は、住民の方に裨益するのが目に見えることで定評があります。ゴミ収集以外でも、ジブチでは、救急車、漁船用のエンジン、フェリーの船、警察用の車両などを供与しています。道路の整備機材も供与してきました。道路を建設することも支援ではありますが、我が国は、機材を供与して、使用方法や整備技術の訓練を行います。地元の人自らが道路を作って維持するための体制整備です。モノを供与するときも、人材育成を心がけています。

これらの施策は、国民の方々が安全に暮らし、能力を高めて自国の開発に寄与しようという「人間の安全保障」に繋がります。

ハムシンにもめげず、明日も朝から「夕焼け小焼け」が聞こえてくるのが楽しみです。